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手厚い優先出資部分で元本割れリスクを極力回避
元本割れのリスクを極力排除したもの
不動産小口化商品の特徴は、キャピタルゲインの確保にあるのではなく、投資対象である不動産から得られる賃貸収入にあります。
もちろん、元本が保証されているわけではありませんが、そこは仕組み上、元本割れのリスクを極力排除したものになっています。その意味では、安定したインカム収入を得たいという方にとっては、非常に魅力的な投資手段といえるでしょう。
まず、不動産小口化商品の仕組みを簡単に説明しておきましょう。この商品は、「匿名組合方式」という仕組みを採用しており、商品を購入する投資家は匿名組合員といった立場になります。匿名組合員は「優先出資者」であり、この投資率業によって得られる分配金や償還金を、優先的に受け取る権利を有します。
では、誰に対して優先的なのでしょうか。それは、ファンドを組成する営業者に対してです。
リスクはすべて、劣後出資者である営業者が負う
基本的に不動産小口化商品が組成される場合は、不動産会社が営業者になります。
この営業者は「劣後出資者」という立場になり、分配金や償還金を受け取る権利は、優先出資新の次の順位になります。
これは、不動産小口化商品を組成している不動産会社などによっても異なるのですが、たとえば出資金が100だとした場合、優先出資者が出資する部分は全体の70、残りの30が劣後出資者の出資する部分になります。
そして、出資された資金を用いて、営業者が投資対象となる不動産をテナントに貸し出し、そのテナントから得られる賃貸料が、出資者に対して分配金という形で支払われます。
もし、この分配金が、当初の見込みに比べて80%まで目減りしてしまっても、優先出資者は当初提示されている目標利回りと同額を受け取ることができます。
全体で見れば20%が減額されていますが、そのリスクはすべて、劣後出資者である営業者が負うことになるのです。
預貯金のような元本保証商品ではない
これは、不動産小口化商品が償還を迎えた時の償還金についても同じことです。
償還を迎えた場合は、この商品を組成した時に比べて、投資対象となる不動産の評価額がどうなるかによって、償還金の額が変わってきます。ただし、仮に評価額が当初比で70%まで目減りしてしまったとしても、それでもまだ優先出資部分と同額が残されているので、優先出資者である投資家は、自分が払い込んだ投資元本を、そのまま受け取ることができます。
これに対して劣後出資者である営業者は、出資した金額を全額失うことになります。こうして、できるだけ優先出資者である投資家の安全性を重視した仕組みになってはいますが、仮に評価額がさらに目減りし、当初比60%になってしまった場合は、優先出資者も損失を被ることになります。
確かに、不動産投資信託などに比べて損失を被るリスクは少ないのですが、それでも預貯金のような元本保証商品ではないということは、理解しておく必要があります。