適正家賃、利回りを計算するためには土地の評価を確認する
不動産の評価がわからないことには、家賃や利回りの計算もままなりません。そこで、不動産の評価を行なってくれるのが、不動産鑑定士です。また、不動産の価格や賃料などの経済価値を総合的に評価することを、不動産鑑定評価と呼びます。
評価方法は3種類。原価法、取引事例比較法、収益還元法
不動産価格の評価方法は、原価法、取引事例比較法、収益還元法の3つです。賃料は、借り手を新しく募集する際に設定する賃料である新親賃料と、当初の賃貸借契約の期間が終わった後に、引き続き契約を更新する際に設定される賃料である継続賃料に分け、それぞれ複数の手法を駆使して評価します。
その上で、2002年7月に全面改正された不動産鑑定評価基準に基づいて鑑定評価書が作られるのです。一般的な住宅に適用されることはまれで、金融機関の担保評価や公的な土地収用、高額物件に使われることが多くあります。
では、2つの評価方法を具体的に見てみましょう。
原価法
「原価法」とは、たとえば中古住宅の建物を、その時点でもう一皮建築した場合にいくらになるか(再調達原価)を割り出してから、建築後の経過年数によって価値が下がった分を割り引くこと(減価修正)で、建物の現在の価値を出す方法です。これに土地の取引事例価格などを加えると、中古住宅全体の価格=積算価格が出ます。欧米では主流の収益還元法が日本でも用いられ始めている
取引事例比較法
次に「取引事例比較法」です。評価すべき不動産と条件の近い物件の取引事例を集めて、それとの比較によって評価する方法となります。鑑定基準では、基準になるとは思えない、売り急いだ物件や投機的な物件などは事例から排除することになっています。
現在の日本の不動産業界では、中古住宅や中古マンションの評価、査定などで一般に使われている手法です。これによって割り出した価格を比準価格といいます。
収益還元法
最後に欧米では主流になっている「収益還元法」です。不動産の運用によって得られると期待される収益=賃料をもとに価格を評価する方法です。
年間の賃料を還元利回りで割ることで、収益価格を出します。この方法が、近年日本でも使われ始めていますので、この方法で考えるといいかもしれません。