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不動産投資信託のリスクとそのコントロール法
長期保有が前提
まず、不動産投資信託のリスクは、前述したように取引価格が常に変動していることです。そのおかげでキャピタルゲインを狙うこともできるのですが、やはり不動産市況が悪化したり、あるいはファンドに組み入れられている物件の魅力が低下したりした場合などは、取引価格が下落する恐れがあります。
もちろん、その一方で配当利回りは高めになりますから、その配当金で多少、取引価格の変動リスクを綾和することができます。
ただし、その際はあくまでも長期保有が前提になります。
購入する際にはファンドの中身を慎重に見極める
また、購入する際には、ファンドの中身を慎重に見極めるようにしましょう。これにはいくつかのポイントがあります。
第一に安定的に配当金が出ているかどうかをチェック。これは、各ファンドのホームページを見れば、そこに決算短信などが掲載されているので、それを見てみましょう。配当金額が上下にぶれず、安定しているものがお勧めです。
第二に、純資産比率をチェックすること。純資産比率とは、ファンドの総資産に占める自己資本比率のことです。不動産投資信託は、投資主証券を発行して調達した資金に加え、銀行からの借入金や、債券を発行して調達した他人資本も合わせて運用されています。
当然、他人資本はいずれ返済しなければならないお金ですから、この比率が高まる(つまり純資産比率が低下する)ほど、ファンドの財務体質が悪化するリスクが高まります。
特に配当利回りの高いファンドは、外部から資金調達することによってレバレッジをかけた連用が行なわれているケースが多いので、十分に注意する必要があります。利回りだけではなく、純資産比率をチェックしたいところです。
チェックポイント
1.証券取引所に上場している
株式と同様、全国の証券会社を通して、東証で売買ができます。
証券会社によってはネット取引もできます(4桁の証券コードで売買可能)。
2.リスク分散、専門家が不動産を運用
不動産の専門家が複数の物件に投資して運用するので、リスク分散の効果があります。
3.安定した分配金、相対的に高い利回り
分配金の原資は、多数の物件からの賃料などであり、安定した分配金、相対的に高い利回りが期待できます。
4.比較的、手の届く金額で投資できる
20万〜100万円前後から投資が可能であり、実物不動産への投資とは遠い、比較的手の届く金額で投資ができます。
- 市場で取引されるため価格変動リスクがありますので、購入価格を下回る可能性もあります。
- 不動産賃貸市場や金利環境等、その他、様々な経済情勢等の影響を受けて、不動産投信の価格が下落したり、分配金が減少する可能性があります。
- 個別の不動産において地震、火災などによる費用増加、法制度や税制の変化等によっても影響を受けたり、投資法人の倒産などにより損失を被る可能性があります。
- 取引所が定める上場廃止基準に該当する場合、上場廃止になることがあります。
- 売買には手数料等がかかります。また売却の際に譲渡益がある場合および分配金を受け取る場合には税金がかがります。